西岡“最恐1番”出場13戦すべてで出塁
「オープン戦、オリックス9‐1阪神」(24日、京セラ)
類いまれな打撃技術はさびついてはいなかった。それを証明する数字がオープン戦打率・462。規定打席には達していないものの、出場した13試合すべてで出塁をマークした。阪神・西岡自身は「これからなんで。やっとスタートラインに立つところ」と表情を緩めない。
一回の第1打席。カウント2‐1から内角136キロの直球をお手本のようなセンター返しで二遊間を破った。大和の三ゴロ間に二塁まで進み、鳥谷のフルカウントからの6球目には果敢に三塁へスタートを切った。
結果はタッチアウトとなったが「シーズンに入れば打順も打順なんでギャンブル的にスタートは切らない。まだ準備段階ですし、確率は低かったけど一回、スタートを切ってみようかな」と明かした西岡。あくまでもシーズンを見据えて、最終戦もチェックに余念がなかった。
七回2死二塁での第4打席は、簡単に2ストライクと追い込まれたものの、そこからじっくりとボールを見極め四球を選んだ。打席内での余裕、相手投手との駆け引き、すべての面で状態は仕上がっている。水谷チーフ打撃コーチも「あいつは細かいところまでいろいろ考えながらやっている。だから打ったと言って、どうってことない」と“万全”のお墨付きを与える。
新天地で不退転の決意を持って臨んだシーズン。準備段階を終え「ケガなくこれたことが一番。調整も順調にできている」と西岡は言う。オープン戦が始まる前、最大のテーマとして「とにかくケガだけはしないこと」と話していた。故障に泣かされたツインズでの2年間。体さえ万全であれば、やれる‐。その事実はオープン戦での結果が証明している。
「開幕まで4日間、ゲームがないことでどうなるか。心の準備をしっかりしていきたい」と開幕戦を見据えた背番号7。体と技術は仕上がった。あとはモチベーションを最高潮に高めて、3月29日、神宮の第1打席に立つ。