藤浪が開幕投手！？阪神のドラフト１位・藤浪晋太郎投手（１８）＝大阪桐蔭＝が２５日、都内で開催されたセ・リーグ初の開幕前共同イベント「セ・リーグ開幕直前！！ファンミーティング２０１３」に参加。同イベントに出席した阪神ＯＢ会長の川藤幸三氏（６３）から今季の開幕投手に指名された。スーパールーキーは戸惑いながらも、近い将来の開幕投手に意欲を見せた。

　『９番ピッチャー藤浪！』川藤氏が温めていた開幕戦の“夢オーダー”が大型ビジョンに映し出されるとファンの熱気が充満した会場がどっと沸いた。阪神ＯＢ会長の川藤氏が「６球団ＯＢバトル」で今季の開幕投手に何と、３月３１日のヤクルト戦（神宮）に先発が決まっている藤浪を指名したのだ。これにはセ・リーグファンからも大きな歓声が飛んだ。

　「私は藤浪を開幕投手に挙げてます。だけどそうはならないでしょう」と会場の笑いを誘った川藤氏。実は春季キャンプ中から和田監督へ“藤浪開幕投手プラン”を提案していた。「阪神はそれぐらい思い切ったことをやっても、何らおかしくない！」。昨季５位に低迷したチームを憂うＯＢ会長ならではの考えだ。

　愛する阪神を変えてくれ。１８歳へ“浪速の春団治”からの熱いメッセージだった。藤浪が今季の開幕投手でないことぐらい分かっている。来年、再来年には開幕投手の座をつかんでほしい。川藤氏は「当然、期待している。そうなれば阪神は変わる」と豪快に笑った。

　突然の指名に晋ちゃんは「そんなわけないので…。ファンサービスの部分もあると思います」と苦笑いを浮かべた。しかし、阪神のエース、いや、球界のスーパーエースを目指す男だ。「しっかり頑張って、そういうふうになれればと思います」と期待に応える覚悟だ。

　藤浪同様、甲子園春夏連覇を成し遂げプロ入りした松坂は新人で１６勝を挙げ、翌年には開幕投手を務めた。同じく高卒１年目から開幕ローテ入りを決めた藤浪も成績次第で十分に可能だ。

　「しっかり自分の力でチームの勝利に１試合、１試合、貢献できるように。投げさせていただければ勝つことを目標にしてしっかりやっていきたいと思います！」

　「ドラフト１位決意表明」で壇上に上がった１９７センチ右腕は、誰よりも高い所からファンに深く一礼してマイクを握った。この言葉が現実になれば、背番号１９が開幕のマウンドに立つ日もそう遠くはないはずだ。