虎全員で“ヤクルト一気飲み”プラン
阪神・和田豊監督(50)が26日、開幕ヤクルト戦当日の29日に都内のホテルで行う出陣式で、チーム全員でヤクルトを飲んでから神宮に向かう仰天プランを明らかにした。超異例の景気づけとなるが、チーム一丸となって相手を“ひと飲み”する覚悟。また、チームはこの日、京セラドームで全体練習。27日は練習後、東京に移動する。
人事を尽くして天命を待つ。指揮官の思いが、異例の“儀式”へつながった。猛虎復活元年とする1年。その開幕戦当日の宿舎ホテルに、関係者から乳酸菌飲料「ヤクルト」が約100本、届けられることになった。
これを、当日、宿舎ホテルで選手全員へ配り、出陣式で敵を“ひと飲み”にして試合へ臨むという。極めて異例の出陣式となるが、和田監督は「(ヤクルトを)飲むよ!何でもやるよ!!」と語気を強めて答えた。
開幕日に選手、コーチら各自がゲンを担ぐことは多い。和田監督も「(毎年)タイと赤飯は必ず食べている。明日から東京に行くから、今夜あたり用意してくれているんじゃないか」と、自身の出陣の儀式を明かした。
今回はチーム全体でゲン担ぎを、しかも出陣式という公式の場で正式に行うことになる。
たかがゲン担ぎ…ではない。指揮官、そしてチーム全体の今季に懸ける思いの表れだ。2年連続Bクラス。優勝は05年から遠ざかっている。虎の誇りとファンの信頼を取り戻すには、とにかく勝利を重ねるしかない。
坂井オーナーから開幕ダッシュを厳命されている。もちろん指揮官自身、その重要性を理解している。開幕3連戦。ヤクルトは左右の両輪、館山と石川が登板予定で「(2人を)攻略して、シーズンに弾みをつけたい」としていた。そのためには、どんな些細(ささい)なことも、打てる手はすべて打つつもりだ。
この日は開幕ロースター登録の締め切り日。全体練習の投内連係の間、指揮官はバックネット裏のスタンドで1人、練習を見つめていた。
「全体を見渡して、戦っていく上で再確認していた。『よし、これでいける』と」。開幕を戦う選手たちを見つめ、今季のチームに自信を深めた。ヤクルトだけではない。掲げる機動力野球のごとく、ロケットスタートを決め、中日、巨人、ライバルすべてをのみ込んでみせる。