和田監督が良太をリセット 密着4番指導
阪神は27日、鳴尾浜で東上前最後の全体練習を行った。フリー打撃終了後には、和田豊監督(50)が開幕4番に指名した新井良太内野手(29)にマンツーマン指導。10分間の青空教室を開き、原点回帰を促した。
二塁後方の真っ正面から、ケージの横と後ろから、和田監督が多角的に新井良の打撃練習に目を配った。メニュー終了後には一塁側ファウルゾーンのティー打撃場に赴き、身ぶり手ぶりの実演指導を交えながら10分間、虎将自らがトスを上げた。
オープン戦18試合でノーアーチ。ラスト3試合は無安打に終わった。指揮官に伝わった4番の苦悩。「心配?こっちより本人の方がね。オープン戦でホームランが出なかったから」。無用な焦りを取り除くため、新井良に声を掛けた。
キャンプからの2カ月間。気になった点があった。「期待に応えよう、結果を出そうと、だんだんとポイントが近くなってた。これは良太に限らず、その打順の選手にはよくあることだけど」。ポイントが近くなることで、右半身に体重が残りすぎ、新井良本来の前さばきが小さくなっている点の改善に努めた。
「自分の持ってるものを出す方が先。原点回帰。初心に帰って自分のいいところを出せと。心技体のリセットだね」と和田監督は自分なりのアプローチ法で、新井良のポテンシャルを引き出すための言葉を選んだ。
「すべてやりました。人事を尽くしたので、天命を待つだけです」と新井良。昨年とは違う4番の意味合い。内角攻め、死球禍も4番の宿命。数々の苦難を乗り越えて、真の4番となる。