能見、7回3失点…次こそ勝利を!
「阪神4-3中日」(2日、京セラ)
結果は伴わなかった。それでも阪神・能見にとって収穫のある開幕戦だった。WBCの激闘から2週間。虎のエースに戻った左腕はこん身の101球を投じた。
絶好の滑り出しだった。二回はわずか4球で料理。続く三回は低めのフォークがさえわたる。藤井、ブラッドリー、大島にことごとく空を切らせた。3者連続空振り三振。三回までは31球、ほぼ完璧な内容を見せた。
四回1死一、二塁から侍ジャパンでの盟友・井端を迎えた。「合宿中にいろいろ話をしたので(対戦は)駆け引きでした」。カウント2‐2からの5球目、内角高めの直球を強引に引っ張られ左翼線に落とされた。先制の適時打。その後も2度のリードを守れず、7回3失点で降板した。
ただ、白星は逃したが、次につながる力投だ。1カ月以上も100球以上を投げない状態が続いた。開幕前の最終調整登板となった3月26日のウエスタン広島戦でも93球。本塁打も浴びたが、今季初戦での101球は価値のあるのもだった。和田監督は「粘り強く投げた。ゲームを作ったから」と最低限の仕事をしたエースをたたえた。
「もう少し(コントロールが)バラけると思ったけど良かった。(スタミナも)心配ない。次につながる投球ができた」。能見自身も手応えをつかんだ。得意の竜斬りは果たせなかったが、期待の持てる7イニング。虎のエースが次は勝利をつかむ。