良太、左足負傷で試合後病院に直行

 「広島6‐7阪神」(5日、マツダ)

 阪神・新井良が延長十一回に負傷交代した。1死一塁の場面で遊ゴロ併殺打となり、一塁に駆け込んだ際に左太もも裏を痛めた。試合後、ユニホームを脱ぎ、ハーフパンツ姿で球場を出た良太は険しい表情で「大丈夫。大丈夫です。(痛めたのは)ベースを踏む前。あとはトレーナーに聞いて下さい」と話した。

 交代後はベンチ裏で、アイシングの応急治療を施した。杉本チーフトレーナーは「きょうは様子を見ます」と多くを語らなかったが、トレーナーに付き添われ、タクシーで病院に直行。MRI検査を受けた。

 開幕7戦目にして、初めて4番の働きを見せた。劣勢の七回に同点の2点適時二塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。敵失と西岡の適時打で2点差に詰め寄り、なおも大和の安打で一、二塁の場面。鳥谷凡退後、必勝パターンで登板した日本代表の今村をたたいた。

 外寄り低めの147キロ速球をフルスイングした打球は、センター丸の頭上を越える殊勲打。「とにかくランナーをかえすことだけを考えて打った」。ミートを心掛け、オフに鍛えた下半身の筋力をバットに伝えた。チームメートの祝福に両腕を突き上げて応えた。

 2~3試合、好機で快音が響かなければ、打順降格論議が噴出する。それが阪神の4番。「これまで、あまり緊張したことがない」という天真爛漫(らんまん)なムードメーカーだが、藤浪のプロ初登板試合(3月31日)に失点を招く失策を犯し、4日の中日戦では八回に一塁悪送球。拙守で表情を曇らせた。

 地元広島で訪れた雪辱機会に結果を出しただけに、不運だ。診断結果は不明だが、状態次第では、きょう6日の広島戦で先発を外れ、最悪の場合は出場選手登録を抹消される可能性もある。

 久慈守備走塁コーチは「本人は(痛みは)少しですと言っていたけど、肉離れは後からジワジワ出てくる」。前日の中日戦に続き2戦連続でマルチ安打を放ち復調気配を見せただけに、患部の状態が気掛かりだ。

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