西岡、猛打賞も「負けたらムカつく」
「広島6-1阪神」(7日、マツダ)
開幕ヤクルト戦以来となる意地の猛打賞も、敗戦の中にあっては喜べるはずがない。勝利だけを求めたからこそ、敗れた悔しさだけが胸の中を支配した。「負けたらムカつきますしね」。煮えくりかえるような感情を言葉に宿し、阪神・西岡は帰りのバスに乗り込んだ。
「チームが負けてしまったんで、自分自身のことで喜ぶことはない。(個人成績は)シーズンが終わってから付いてくるもの。チームが負けたんで」
前向きに話すことはなかったが、それでもチーム4安打のうちの3安打は、存在感を示すに十分なものだった。初回こそ一ゴロに倒れたものの、四回には先頭から中前打を放つと、六回は1死無走者から遊撃内野安打で出塁。さらに八回は日高のソロの直後に中前打で執念を見せた。常に劣勢の中、あきらめない気持ちをバットに乗せた。
前田健からは2安打。ロッテ在籍時の08~10年の3年間でそれぞれ対戦があり、この試合までは11打数6安打と好相性だった。この日の3安打を合わせると15打数9安打となり、対戦打率は・600に。今後も対戦する広島のエースに対し、頼もしい存在だ。
「ゲームセットと言われるまではどんな状況であっても、試合に出ている以上はあきらめないので」と西岡。目の前の勝利に徹底的にこだわる全力プレー。揺るぎないパフォーマンスで、9日からの本拠地開幕カード、巨人3連戦でもチームをけん引する。