福留、早出特打の効果で価値ある適時打

 「阪神2‐0巨人」(9日、甲子園)

 右翼席がうねり、大歓声が活躍をたたえる。阪神・福留は定位置へ向かう途中に静止して帽子を取り、深々と頭を下げた。価値ある適時打を放ち、上々の“甲子園デビュー”を飾った。中日時代の07年7月15日以来となる聖地での公式戦で、猛虎の一員となったことを心から実感した。

 「味方としてこれだけの声援があるのは心強い。あらためてすごくいい球場だと思った。相手が巨人うんぬんというより、このユニホームを着て、初めて甲子園でプレーしたことが楽しかった」

 1点を先制した直後の六回2死二塁。宮国のスライダーを右前に運んだ。マートンの生還を確認すると、久慈一塁ランナーコーチの手を激しくたたく。冷静な男が珍しく感情を表現した。

 苦しんでいた。打率は1割台を低迷。この日は早出組より50分前に一番乗りでグラウンド入りし、志願の特打を行った。28分間で112スイング。練習中には絶好調の巨人・村田に近寄って「運気を取ってやる」と触りまくった。藁(わら)にもすがる思いだった。

 だが、伝統の一戦での一打が光となった。和田監督は「特打の効果と言ってくれよ(笑)。いい打撃と悪い打撃がはっきりしているので、その辺がしっかりしてくればね」と上機嫌。福留も「(特打で)裏方さんに協力してもらっているし、その中で1本ヒットが出た。いい感じになっていけばいいね」。その穏やかな表情に自信が表れていた。

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