4番マートン一矢報いた完封負け阻止打

 「巨人8‐1阪神」(17日、東京ド)

 劣勢に声援を送り続ける虎党を、手ぶらで帰らせるわけにはいかない。七回までスコアボードに並ぶ「0」の表示。ビハインドは8点。だが敗色濃厚の場面で、阪神・マートンが4番の意地を見せた。

 八回1死。西岡が左翼線への安打で出塁し、大和が中前打で続く。その後2死一、二塁となり、4番・マートンが巨人・杉内の投じた外角ボール気味のスライダーを、右前へはじき返した。二走・西岡が本塁生還。ようやくスコアボードに「1」の数字が点灯した。

 相手先発は虎の天敵・杉内。前回10日の甲子園での対戦も7回無失点に抑えられ、両チーム無得点での引き分けに終わっていた。マートン自身も3打数無安打と封じられ、さらに昨季までの通算対戦成績は26打数3安打、打率・115と苦手としていた左腕でもある。

 ただ虎の4番が、いつまでも敵の後塵(こうじん)を拝すわけにはいかない。「(杉内)対策というよりは、自分としてのベストを尽くして、打てる球を逃さずに打つ。それだけを考えて、打席に入っていた」。その研ぎ澄まされた集中力が、左腕の投球を上回った。

 初回2死一塁で巡ってきた第1打席では中前打で好機を広げ、先頭打者だった四回は鋭い打球で杉内を強襲する内野安打。後続が倒れ2死一塁となるとコンラッドの3球目に二盗を決め、杉内攻略への道を切り開くため必死のプレーを続けた。

 そして、八回に出た猛打賞となる3安打目の適時打だ。これが今季の杉内に対し、15イニング目でのチーム初得点となった。4番の背中は打線全体にも変化を加える。7点を追う九回も2死から2人走者を出し、最後まで粘りを見せた。

 敵地で巨人に連敗。もちろんマートンに笑顔はない。それでも、力強く言い切った。「明日につながったと思う」。まだシーズンは序盤。この3連戦も1試合を残している。次こそは‐。猛虎の意地を示す舞台は、数多く残されている。

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