秋山、自責点ゼロ完投星で1軍へ前進
「ウエスタン、中日2‐7阪神」(17日、ナゴヤ)
力が有り余っていた。先発再挑戦の阪神・秋山が今季チーム一番乗りの完投勝利を飾った。岩田の2軍落ちで巡ってきた1軍枠に強烈アピールだ。
直球が高めに浮く。いきなり先頭の吉川に四球を与えた。すると即座にカットボールとフォーク主体に切り替えた。さらに「調子が良くなかったしプレートが合わなかった」と三回2死からセットポジションに変更。制球に苦しみながら修正を重ね、六回2死まで無安打の完璧な内容だった。
七回は北條の悪送球、八回には失策と自身の暴投で1点ずつ失ったが自責点0で投げきった。最後の打者・井藤は140キロ高めのボール球で三振に仕留めた。その直球は思わず手を出させるほど。「まだ投げられました」と115球を投げて余力ある快投劇だった。
試合前に「完投指令」を受けていた。前日16日、小嶋の調整登板もあり中継ぎ7投手をつぎ込んだためだ。「初めからそのつもりで行きました」。見事、べンチの期待に応えてみせた。
今季先発した4試合はすべて6回以上を投げ、自責点はわずか「2」。平田2軍監督は「ずっと安定しているな」と高評価した。
岩田の降格により1軍先発枠が空いた。20日・ヤクルト戦は小嶋が最有力だが、結果次第ではその機会が訪れる。「チャンスなので」と秋山は目をギラつかせた。