マートン、激勝呼んだタイムリー三塁打

 「阪神7‐3ヤクルト」(19日、甲子園)

 福留の一発がうれしかった。自分のことのようにうれしかった。「最後で福留さんが打ってくれて良かった」と笑った阪神・マートン。カブス時代、異国の地からやってきた男とシカゴで戦った。あれから6年。戦友の大活躍を呼び込んだのは4番の一振りだった。

 3点を追う七回1死一塁。ここまで完ぺきに抑えられていたロマンが投じた初球だった。真ん中高めの甘い130キロカットボールを、マートンは見逃さなかった。

 快音を響かせた打球はバックスクリーンへ向かって伸びていった。普段の浜風ではなく、六甲山から吹き下ろす追い風に白球が乗った。着弾したのはバックスクリーン左のフェンス最上部。打球がはね返って外野芝生に落ちる間に大和が生還し、マートンも快足を飛ばして三塁を陥れた。

 反撃ののろしとなる適時三塁打。「打ったことは良かったけど、その後、福留さんの一発が大きかった」とこの直後、福留の同点弾が飛び出した。18日の巨人戦では来日初めて1試合5打点をマークした。これで3試合連続打点と、4番に座って確かな勝負強さを発揮している。

 キャンプから中軸を打てるだけのコンディションを首脳陣に見せつけてきた。開幕当初、4番を任せた新井良に不測の事態が起こった場合、ベンチは助っ人を4番に据える方針を固めていた。

 オープン戦の段階で「4番を打てるだけのものを持っている。外国人だからメンタルも強い」と明かしていた水谷チーフ打撃コーチ。来日1年目にシーズン214安打を放った高い技術、そして打席の中でぶれない集中力‐。猛虎の4番に座っても、その2つは決して揺るがない。

 「これだけ長いこと試合をやったんだから勝ちたかった」と声を弾ませたマートン。自らが上げた反撃ののろしを、シカゴで戦った仲間が白星に結びつけてくれた。その事実が助っ人にとって、何よりもうれしかった。

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