劇勝支えた虎リリーフ陣「0封リレー」
「阪神7‐3ヤクルト」(19日、甲子園)
奇跡の勝利を呼び込んだのは、まぎれもなく阪神が誇る鉄壁リリーフ陣だ。六回、メッセンジャーが突如乱れた。押し出し四球で3点目を与え、なお1死満塁となり降板した。和田監督はこの絶体絶命の場面に加藤を送り込んだ。
「準備はできていた。状況が状況だったので開き直っていくしかなかった」。森岡をカウント1‐1から内角高めの直球で浅い右飛に打ち取る。鬼気迫る投球で続く中村にも立ち向かった。2球で追い込むと136キロ直球で空振り三振。2人に対し計6球すべて直球勝負を挑んだ。ヤクルトの勢いを断ち切ったのは気迫だった。「それしかないですから」と笑顔を見せた左腕。劣勢でも完璧に仕事をこなす盤石ぶりが、再びチームに息吹を吹き込んだ。
執念のバトンは歳内から「AFK」に渡り延長十二回、筒井が受け取った。左肩痛で出遅れ18日に初昇格を果たしたばかり。「投げさせてもらっているのはチャンスなので」と、ぶっつけ連投でも難なく3人で抑え初勝利が転がり込んだ。
虎の救援陣は聖地では無敵を誇る。今季7試合で中継ぎ陣はいまだ無失点。和田監督も「そこに尽きる。開幕からずっとだからね」と最敬礼だ。先発が崩れても今季の阪神には“粘り腰”がある。最強の「0リレー」がある限り、奇跡は何度でも起こせるはずだ。