鳥谷“1点の輝き”初回に電撃V二塁打
「阪神1‐0ヤクルト」(20日、甲子園)
結果的に唯一となった援護射撃は、キャプテンの意地の一振りで生まれた。バットで貴重な得点を叩き出し、守っては堅実な守備で躍動。阪神・鳥谷が、今季初登板の小嶋を攻守にわたって勇気づけ、勝利をアシストした。
「小嶋も今年初めての先発で、何とか先に点を取ってとチーム全体が考えてました。リズムが良くて安心して見てられました。文句なしです」
狙い通りの一打は初回だった。1死一塁、石川の3ボール1ストライクからの5球目だ。一走・大和がスタートを切り、真ん中に入ってきたシュートを右翼線沿いに運ぶ適時二塁打で、先制点が生まれた。
「バッティングカウントだったので、ストライクが来たら思いきっていこうと思っていた。昨日の勝ちもあって、先に点を取れば主導権を握れると思ってました」
サヨナラ勝ちを収めた前夜19日は、好機で凡退するなど5打数無安打に。ただ、「ピッチャーも違うし昨日のことなんで」と気持ちを切り替えてこの日に臨み、連勝中の勢いを壊さなかった。六回には左前打で出塁し、2試合ぶりの複数安打を記録した。
小嶋とともに、自身今季初となったお立ち台では「せっかくなんで、ノーヒットノーランをやってもらいたかったですけど」と話した。誰もが偉業を意識し、夢の時間を共有できたのもキャプテンの奮闘があってこそのものだ。これで3連勝。足を止めることなく、次の勝利を狙いにいく。