「中日１５‐３阪神」（２３日、ナゴド）

　どんな形でもいい。結果の２文字が欲しかった。コンラッドに代わって１軍昇格した阪神・田上が、代打で登場し１安打１盗塁。チームの大敗で表情を緩めることはなかったが「最初の試合でアピールできたのは良かったです」と振り返る。

　能見に代打・田上がコールされたのは４点を追う五回１死走者なしの場面。ファーストストライクから果敢に狙っていき、１３６キロの直球をたたきつけた。打球は一、二塁間を破る右前打。さらに２死後、打者・大和の３球目にスタートを切り、二盗を成功させた。

　虎にとって鬼門のナゴヤドームで、反撃ののろしを上げた田上。だが得点には結びつかず、水谷チーフ打撃コーチは「ヒットは出とるんやけど、五回までに１、２点欲しかったな」と言う。

　中盤までに壊れてしまったゲーム。それでも若虎にとっては、生き残るために与えられた１打席で結果を出す必要がある。今年１月、「どんな形でもいいから戦力になれるように」と力を込めていた田上。死に物狂いでチャンスをつかもうとする姿勢は、必ずチームの活性化につながる。