榎田援護したれよ~被安打「1」も涙

 「中日1-0阪神」(25日、ナゴド)

 こんなことがあっていいのか。7安打を放った阪神が0点。2安打の中日が1点。阪神はあと1点が遠く、敗れた。先発した榎田大樹投手(26)は6回1安打投球を見せたが、その1安打が痛恨のタイムリー。投打ともにスッキリせず、今季初のナゴヤドーム中日3連戦は、1勝2敗で負け越した。

 難局を耐えしのいだ左腕を待っていたのは残酷な結末だった。被安打は1。だが、この唯一のヒットで試合が決まった。力投は報われず、榎田が2敗目を喫した。

 悔やんでも悔やみきれない場面があった。五回1死。投手の岩田に四球を与えた。続く大島は遊ゴロに打ち取るが、二塁封殺止まりで走者が入れ替わった。すると大島は二盗と暴投で三進。荒木に決勝の左前適時打を浴びた。

 「悪いなりに苦しみながら抑えようと思ったけど、ピッチャーを四球で出したことが負けの一番の要因だった」。感情を押し殺し、淡々と反省の弁を並べた。

 序盤から制球に苦しんでいた。初回は先頭の大島に死球を与えるなど3四死球。25人の打者のうち、初球ボールは15人にものぼった。際どいコースを攻めた結果ではない。特に変化球は抜け球が多く「緩急をつけるボール(の制球)がダメだった」。大半は思い描いた軌道を描かなかった。

 中西投手コーチは制球難の原因について「マウンド。ナゴヤドームでは(ボールを)ひっかける傾向がある。変化球(を投げる時に腕)が体の前で出てきていなかった。腕が横振りになっていた」と説明した。

 それでも大崩れをしないのが真骨頂。四回無死一、二塁も自力で切り抜けて、四回までは無安打投球を続けた。114球で6回1失点。先発としての役割は果たした。

 和田監督は「きょうはボールが抜けていた。でも、悪いなりに何とか1点でえ抑えていたので、ひっくり返したかったけどね」と、左腕を労った。まさに無援に泣いた。

 ただ、左腕は最後まで自らを責めた。「味方の攻撃のリズムがつくれなかった。ストレートが走っていたのでヒット1本で抑えられたけど、四球に結びつけるのではダメ」。防御率は0・61。安定感はチーム屈指だ。ばん回のチャンスはある。反省を胸に刻み、リベンジの時を待つ。

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