鳥谷目覚めた!猛爆呼ぶ弾丸2ラン
「DeNA5‐10阪神」(26日、横浜)
目の覚めるような弾丸ライナーが右翼席へ飛んでいった。阪神・鳥谷が放った低く鋭く伸びていった白球は、失速するどころか浮き上がるようにフェンス最上部に当たってスタンドに入った。DeNAの息の根を止めるダメ押し2ラン。キャプテンの一撃が一挙6得点のビッグイニングにつながった。
4点リードの五回だ。先頭の大和が中前打で出塁し、無死一塁で迎えた第3打席。その初球、ど真ん中に来た139キロの直球を見逃さなかった。周囲も度肝を抜かれたような、弾丸ライナーでの2号2ラン。「ファーストストライクからスイングしようと心がけていました。良い結果につながって良かったです」とクールに振り返る。
25日の中日戦、初回1死三塁の好機で空振り三振に倒れた。好投の榎田を援護できず、チームは完封負けを喫した。初回に1本出ていれば…。勝敗を左右した1打席。得点圏打率・083と悩める3番を、試合前のフリー打撃を終え、ロッカーへ下がろうとする水谷チーフ打撃コーチが呼び止めた。
「昨日の第1打席で甘い球が1球、あったやろ。あれを一発で仕留めなあかんと言った。前に突っ込むなとか、そういう難しいことは何も言わん」。水谷コーチはこう、青空会談の内容を明かした。ごくごく簡単な、そして暗示をかけるような一言。本人も「そういう球をしっかり振って行けたんで。良かったかなと思います」と振り返った。助言を即、ゲーム中ので実践した一振りで打線にムチが入った。
直後にマートンが右前打で出塁し、福留はフルカウントから四球を選んだ。高崎をKOすると、新井良は右前打、藤井彰は冷静に押し出し四球を選んだ。2死満塁から西岡が走者一掃の左中間3点二塁打を放ち、五回までに今季初の2桁10得点に到達した。
三回は1死二、三塁から遊ゴロ間に西岡を招き入れ、1試合3打点は今季初。鳥谷の元気な姿‐。それが猛虎打線の輝きが増すファクターだ。