西岡お目覚め!打線点火の復調マルチ
「阪神11‐3広島」(30日、甲子園)
この男の一打が流れを呼び込んだ。阪神・西岡がようやく「H」ランプを灯すと、猛虎打線が一気に点火した。
初回だ。右打席に入ると1ストライクから内角を3球続けて攻められた。その3球目。132キロ直球に反応すると左前に運んだ。得点にこそつながらなかったが、続く大和の遊ゴロの併殺プレーで二塁の失策を誘発。西岡の安打が広島守備陣に強烈な重圧を与えた。
13打席の難産。内角攻めに苦しんだ。29日の試合後に打ち込みを行った。「(内角攻め)だからといって打撃を変えるつもりはない。僕は来た球に反応するタイプ」と不振でも自分を貫き通した。無安打中には正面に飛ぶ打球も目立ったが「(打撃)ポイントが何ミリかズレている証拠」と分析。長いトンネルから脱出させたのは、そのミリ単位の修正だった。
七回には右中間を深々と破る適時三塁打で野村鯉の息の根を止めた。「(調子が)悪かったのが急に良くなることはない」と久々の2安打にも満足はしなかった。次の獲物を見据えたからこそだった。
1日は前回封じ込まれた前田健が相手だ。「球界を代表する投手。1点、2点の試合になる」と気を引き締めた。和田監督が「彼の安打は雰囲気を変えてくれる」と称賛したように切り込み隊長がマエケン攻略のカギとなる。「1番としてしっかりやりたい」と打倒を誓った西岡。この男の一打が虎を連勝に導く。