榎田、粘りの投球7回0封も白星スルリ

 「巨人2‐3阪神」(8日、東京ド)

 チームの勝利が阪神・榎田は何よりもうれしかった。ロッカーから出てきた左腕は、満面の笑みを浮かべていた。あと1球と迫りながら手にしかけた3勝目はするりと逃げたが「チームが勝ったことが一番なんで」と声を弾ませる。

 序盤から虎の同一カード3連勝を阻止しようとするG打線に攻め込まれた。シュート、フォークを多用しながら丁寧に低めへボールを集めたが、見極められた。シングルヒット3本ながら、四死球で許した走者は8。それでも「攻めた結果なんで」と切り替え、セットアッパー時代を思い起こさせるように、がけっぷちで何度も何度も踏みとどまった。

 三回は2死一、二塁からロペスを137キロの直球でねじ伏せ、右飛に打ち取った。五回2死満塁の場面では、前打者のロペスに死球を与えながら、村田に対して、初球、2球目と内角低めにスライダーを投じた。ファウルを打たせて追い込み、最後は高めの直球で遊ゴロ。ここ一番の集中力で何とかしのぎきった。

 東京ガス時代から都市対抗の舞台として慣れ親しんだ東京ドーム。和田監督は「東京ドームで失点を防ぐ投球ができる投手。配球とか、投球スタイルが一番、点を取られないタイプの投手だと思う」と評する。低めに、丁寧に、根気強く‐。何度も「チームが勝ったことが一番です」と語る左腕の粘り腰が、宿敵相手の3タテへ導いた。

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