トラ交流戦連敗…昨季二の舞いアカン
「交流戦、阪神2-9オリックス」(15日、甲子園)
まさかの交流戦連敗スタート。14日のディクソンに続き、ルーキー松葉にほんろうされた。ただ、1点を返した二回2死一、二塁に榎田の安打で二走・俊介が生還していれば…。和田豊監督(50)は「これが交流戦の怖さ。早いうちに止めて元のペースに戻せるようにしないと」と話した。首位・巨人と2・5ゲーム差。昨年の交流戦5連敗スタートの悪夢はご免だ。
頭の片隅で描いた最悪の展開。破竹の快進撃を続けてきた猛虎軍が、聖地で屈辱にまみれた。交流戦連敗発進‐。聖地の宙を舞った3本の矢。地の利を逆手に取られた3被弾。タテジマが強烈な浜風に泣かされた。
左翼に飛んだライナーが次々にフェンスを飛び越えた。初回、2死からバルディリスに先制ソロ。なおも2死一塁から、ロッティーノに2ラン。右から左に流れる風が、虎のノド元を強烈に絞めつけた。いきなりの3失点。誤算だらけの幕開けだった。
チャンスはあった。日高の右前適時打で1点を返した二回、2死一、二塁。榎田の中前打で二走・俊介が本塁を突いた。だが、伊藤のブロックをかわして回り込んだ俊介の左手は、ホームベースに触れていなかった。1点差として、なおも西岡という状況は崩され、引き寄せかけた流れは消えた。
「真っすぐ入ってもセーフ。回り込んでもセーフのタイミングだっただけにね。あれで流れが止まってしまった」と和田監督は苦虫をかみつぶした。直後に食らった李大浩の2ラン。「僕はホームベースに触ったと思ったんですけど」と振り返った俊介の言葉がむなしく響いた。
2カード連続3タテの6連勝で臨んだ交流戦でまさかの連敗スタート。サヨナラ勝ちを飾った首位・巨人とのゲーム差は2・5差に開いた。
悪夢がよみがえる。監督就任初年度の昨年、初戦からまさかの5連敗を喫した。中盤に盛り返したものの、最終的には9勝12敗3分けと、3つの借金を背負わされた。逆に巨人は交流戦優勝を決め、一気にVロードを突っ走った。再現はゴメンだ。
「これが交流戦の怖さ。初戦を落とすとこういうことになる。6連勝しただけにね、早いうちに止めて元のペースに戻せるようにしないと。初戦の重要性を再確認してやっていきたい」。虎将は唇をかみしめ、次戦に視線を向けた。
幸いにも7個の蓄えがまだある。1日の休養日も挟む。頭も体もリフレッシュに充てられる。反撃の時だ。胸に渦巻く悔しさが、ソフトバンク戦への糧となる。さあ、取り返すぞ‐。