難敵攻略のキーマン。完全復活の道を着実に歩む阪神・新井貴浩内野手（３６）が、破竹の連勝街道を突き進む楽天・田中を打ち砕く。王手をかけている節目の通算１０００打点。球団史上６人目となる偉業達成は、怪腕撃破で輝きを増す。

　４桁の大台が目前に迫る。自分史を彩る新たな扉。いつかは必ず通る道。まだ通過点‐。余計な力みはない。ただ、球界を代表する右腕から挙げる打点は、チームの勝利を後押しする。２７日の甲子園での指名練習を免除された新井は、休日を心と体の静養に充てた。

　「そうなれば最高だけど。簡単なことじゃないけどね」。無傷の７勝を誇るマー君との直接対決だが、好調度なら新井も負けていない。リーグ５位の打率・３２０。５月に限れば、７３打数２９安打、６本塁打、２１打点の打率・３９７。無類の勝負強さは実証済みだ。

　和田監督の期待も厚い。指名練習後の関係者通路に虎将の声が響いた。「きっと新井が１０００打点を挙げてくれるでしょう！」。猛虎打線の金看板を背負う男への信頼感は日に日に強まっている。

　聖地決戦。金字塔を祝う舞台は、大観衆で膨らんだ本拠地がよく似合う。万雷の拍手を一身に浴び、笑顔で手を上げる背番号２５。打点→勝利→お立ち台。筋書きは整った。マンモスが新井色に染まる。