マートン好調キープでマー君撃ち
「交流戦、阪神4‐7楽天」(28日、甲子園)
快音を残した打球が、右中間を真っ二つに破った。一時は勝機を手繰り寄せた価値ある働き。阪神・マートンが5試合連続となる安打で、打点も5試合連続に。頼れる4番が、田中に強烈な一打を見舞った。
「追い込まれていたので、大振りにならないようにコンパクトなバッティングを心がけました」
見せ場は三回だった。鳥谷の一振りで1点を奪い、なおも1死二塁の場面。2球で追い込まれながらも3球目の直球が高めにきたところを、逆らうことなくはじき返すと打球は右中間への適時二塁打となった。田中を相手に、数少ない好機を逃さなかった。
好調をキープするバッティング。この日の練習中には、米大リーグのボストン・レッドソックスのスカウトを務めるジョン・ディーブル氏と再会した。マートンにとっては、03年のドラフトでレッドソックスに1巡目指名された時の、マイナーの監督だった。
「21歳の時だった。すごくお世話になったんだよ」とマートン。プロとしての第一歩を見届けられた恩師の前での、価値ある一打でもあった。
もちろん、チームが負けたために試合後に笑顔はない。同点の七回2死一、二塁で二邪飛に倒れたことを「どの打席でもチャンスで結果を出せるようにと思って打ちにいっている。毎回そういうわけにはいかないけど」と反省。この悔しさは次の一戦で晴らすだけだ。