苦渋決断…福留が左膝手術で全治3カ月
楽天にまさかの逆転負け。和田阪神にもう一つの衝撃が襲った。左膝を痛めていた阪神・福留孝介外野手(36)が、28日、大阪市内の病院で左膝内側半月板のクリーニング手術を受けた。完治までに3カ月を要し、9月にも戦列復帰できる見込みだが、ペナント終盤まで、正右翼手を欠いた戦いを強いられることになった。
苦渋の選択だった。自然治癒による早期戦列復帰を探っていた福留が、手術の道を選んだ。複数の病院で精密検査を受け、日にち薬で徐々に引くことを願っていた痛みは、一向に福留の心を晴らすことはなかった。
3日のヤクルト戦(甲子園)。初回、2死一、二塁から、中前適時打を放ち、一塁へ走りだした際に左膝をひねり、半月板を痛めた。患部を襲う痛みに耐えて強行出場を続けたが、三回の守備から途中交代した。
6日からの東京遠征にも帯同し、試合前のフリー打撃にも参加していたが、走塁と守備練習に参加することはなかった。8日に出場選手登録を抹消した際、和田監督は「一番短い期間で早くスタメンに戻れる方法を一番に考えた」と早期復帰を見据えた措置だと話していたが、その後のリハビリでも、左膝の状態が劇的に上向くことはなかった。
「リハビリ等は術後の様子を見てになるけど、最低3カ月はかかるということで。シーズン終盤の一番大事な時に戻って来られる可能性があるので(手術に)踏み切りました」と和田監督。球団関係者は「リハビリ次第では、もう少し早く戻って来られる可能性もある」と話した。正右翼手の長期戦線離脱は痛いが、今季絶望という最悪のシナリオだけは避けられたことが唯一の救いだ。
福留は球団広報を通じてコメントを発信した。「チームが必死に戦っている最中にもかかわらず、自分のことでチームに迷惑を掛けてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいです。ファンの皆さんに元気な姿をお見せできるように、リハビリに取り組んでいきたいと思います」。加入1年目。アクシデントとはいえ、チームを離れることへの謝罪と早期復帰に向けた言葉を残した。
8年ぶりのリーグ優勝に向け、火花散る争いを繰り広げているであろうペナント終盤までの3カ月間、福留不在での戦いを余儀なくされる。
「これで完全にポジションがひとつ空いた。選手にとってはチャンス。ポジションをつかむぐらいの気持ちでやって欲しい」と和田監督。大きな穴はひとりでは埋められない。束になって空いたスペースを小さくしなければならない。福留が戦列復帰するまでの戦い方が、V奪回のカギとなる。