久保またか…1点差守れず客席から罵声

 「交流戦、阪神4‐7楽天」(28日、甲子園)

 阪神・久保康友投手(32)がまたも逃げ切りに失敗した。1点リードの九回に登板すると1死一塁から松井に右線二塁打で同点、代打・島内に三塁打で逆転を許した。巨人が敗れ、勝てば首位に0・5ゲーム差に迫るはずが、勝ちきれず。守護神の救援失敗はあまりにも痛い1敗となった。

 悲鳴や罵声(ばせい)、様々な声が入り交じる。その渦の中、ぼうぜん自失の守護神がマウンド上で立ちつくしていた。仲間が必死につないだ勝利へのバトン。だが、最後に受け取った久保は、それをゴールへ導くことができなかった。

 「ダメですね。やられているので。何度もやられて申し訳ない」

 どんな時にもマウンド上で保っていたポーカーフェースは、見られなかった。いつになく憔悴(しょうすい)しきった表情が、ショックの大きさを物語っていた。

 終盤のし烈なシーソーゲーム。それでも、同点の八回2死二塁から藤井彰の右前打で、貴重な貴重な1点を挙げ、試合をリードする。そして、久保に託された九回のマウンド。だが、1死から銀次に左前打を許すと、続く松井に右翼線への同点二塁打。さらに代打・島内に左中間への勝ち越し適時三塁打を浴びた。

 歓喜の瞬間を信じていた虎党も、一瞬声を失う惨状だった。「(チームが)いい流れを作ってくれているのに…」。久保はそう話し、自身を責め続けた。

 22日のロッテ戦(QVC)でも、2点のリードを守れず。延長十二回を戦ったチームは、何とか敗戦を逃れた。それでも、これで5月に入り2敗2セーブ、防御率12・27と、久保にとって、苦難の登板が続いている。

 前日は中継ぎとして獲得した、新外国人・ボイヤーが入団会見。だが、1軍合流は先の話だ。中西投手コーチも「配置転換?それはない。クローザーだから。乗り越えてもらわないといけない」と配置転換を否定した。

 和田監督も「そこは送り出したオレの責任。しっかり頑張ってもらわないと」と奮起を促した。久保は「力でねじ伏せるぐらいの球を投げないとダメ。(直球狙いでも)それ以上の球を投げないといけないポジション」と話す。失敗は、チームを勝利に導き取り返すしかない。守護神の奮起がなければ、覇権を握ることなど夢物語に終わる。

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