和田采配ズバっ 連続代打決まった
「交流戦、ソフトバンク3‐4阪神」(2日、ヤフオク)
指揮官の体を駆け巡る血流がささやいた。今だ‐。2点ビハインドの七回、1死二、三塁。パディーヤ攻略のビッグチャンス。阪神・和田監督がベンチを出た。代打・今成。10打席連続無安打の新井良をベンチに下げた英断が大きな実を結んだ。
今成が1点差に迫る左犠飛。桧山‐。代打攻勢を仕掛けると、43歳のベテランが右中間を破る同点の適時二塁打。続く柴田は2打席連続で見逃し三振を喫していたが、内容と過程を判断して3打席目を与えると、決勝の右前適時打。虎将の眼力がさえ渡った。
ワンチャンスを生かした逆転勝利。「ベンチにいる選手がしっかり期待に応えてくれた。それだけやね」。1打席、1球で結果を残さなければならない代打陣が、極限まで高めた集中力を発揮して奪った3点。和田監督の声に張りがあった。
リーグ30勝一番乗りで、昨年4月19日以来、409日ぶりの単独首位に立った。「まだ6月頭だから。交流戦を1試合、1試合勝っていくことしか考えてないよ」。まだゴールじゃない。ただ、他球団を見下ろす景色はいい。最後まで手放さない。