柴田V打!故郷福岡、声援を力に変えた
「交流戦、ソフトバンク3‐4阪神」(2日、ヤフオク)
故郷の空気が力をくれた。終盤の七回だ。同点に追いつき、なお2死二塁の場面で。阪神・柴田がパディーヤの内角高め、ツーシームを鋭く振り抜くと、打球は一、二塁を抜ける。二走・荒木が本塁へかえり、決勝の右前適時打となった。
「みんなが、つないでつないでチャンスをつくってくれた。絶対に決めてやろうという気持ちで、打席に入りました」。前2打席は、相手の術中だった。2打席連続で内角のツーシームに手が出ず見逃しの三振。それでも必死に光明を探った。
2打席目は10球粘り、和田監督をして「タイミングも取れてきていた。もしかしたらというのはあった」と期待を抱かせていた。「それ(2打席目)が生きたと思う」と柴田。その上で、七回の打席は「内角に来ると、腹をくくっていった」と狙いを定めていた。
チームの首位浮上に貢献を果たした殊勲打。歓喜の中で輝く背番号「00」。この姿を一番に見せたかった家族が、スタンドから見つめていた。福岡出身の柴田。この日は、両親と祖母、兄が応援に駆けつけていた。
5月17日の1軍昇格まで、開幕から2軍で必死のアピールを続けた。「苦しい時期を過ごして自分なりに頑張ってきた。報われた?そうですね」。流した汗が導いた故郷でのヒーローインタビュー。両親へ「いつもありがとうございます!」とメッセージも送る姿に、地元ファンの温かい声援が、いつまでも降り注いだ。