神様・桧山が導いた!虎409日ぶり首位

 「交流戦、ソフトバンク3‐4阪神」(2日、ヤフオク)

 これが逆転の虎だ!阪神を409日ぶりの快挙へ導いたのは神様・桧山進次郎外野手(43)のバットだ。2点を追う七回に今成の犠飛に続き、2死二塁から右中間二塁打で同点。続く柴田の右前打で勝ち越し。この回一挙3点の猛攻で文字通り『ラッキー7』を演出した。昨年4月19日以来の単独首位。このまま突っ走る!

 難関を突破できるのはこの男しかいなかった。その事実をファンも分かっていた。ヤフオクドームに響くこの日一番の大歓声。代打・桧山‐。そのコールが敵地の雰囲気を一瞬で変えた。そして右中間を切り裂いた神の一撃。虎が会心の逆転勝利で昨年4月19日以来、409日ぶりに単独首位の座を射止めた。

 場面は2点を追う七回だった。マートン、新井の連打などでつくった1死二、三塁の好機。代打・今成が左翼へ犠飛を打ち上げ、1点差に迫ったところでベンチは勝負手を切る。藤井彰に代えての桧山。「ナリ(今成)が1人かえしてくれて、自分も続いていければと思った。みんながつくってくれたチャンスやから」。パディーヤが投じた3球目、148キロの浮いた直球を見逃さなかった。

 快音を残した白球は右中間を真っ二つに破った。二塁走者の新井が悠々と生還する同点の適時二塁打。桧山自身も全力で二塁を陥れたことで、続く柴田の勝ち越しとなる右前適時打を誘発し「セカンドまで行ってくれてチャンスをつくってくれたのが大きかった」と和田監督も目を細めた。

 難攻不落のパディーヤを一気に撃破した“神通力”。そこには桧山の譲れないポリシーがある。今年7月で44歳を迎えるベテランは、一度も宝くじを買ったことがない。「あれは完全に運やろ。自分で番号を選べるわけでもないし。競馬とかだったら自分で予想して、当たったらご褒美って思えるんやけど…」と真顔で言い切る。

 代打という1打席の勝負‐。バッターボックスに向かうまで“運”という要素は介在しない。情報を集め、状況を読み、万全の準備をする。この日も桧山はベンチ裏のモニターで助っ人右腕の球筋を凝視した。

 「良いボールを投げてたし、微妙に動かしてた。まっすぐもキレがあって」。何度もイメージをわかせた一打が、グラウンドで最高の結果へと変わった。そんな男が力でもぎとった価値ある同点打だからこそ、チームにも勢いが生まれる。

 連勝で交流戦の戦績を5割に戻し、巨人をかわしてリーグ首位に立った。それでも桧山は「別に、まだまだ。6月やし」。天国も地獄も知るからこそ表情を緩めない。負けにあらがい、勝ちに浮かれない。そんなベテランがいるからこそ猛虎は、強い。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス