阪神一日天下…今季8度目“寒風負け”

 「交流戦、ソフトバンク12-0阪神」(3日、ヤフド)

 一日天下‐。409日ぶりに首位の頂を極めた猛虎軍が、わずか1日で落城した。投壊、守乱、決定打不足のトリプルパンチ。阪神は今季8度目の完封負けで、宿敵にトップの座を明け渡した。12対0の惨敗。博多最終日は屈辱にまみれた。

 独り相撲。スタンリッジが我を見失った。四回、先頭・本多を自らの失策で出塁させると、次打者・内川との勝負間で、実に8度のけん制。必要以上に足を警戒しすぎた揚げ句に中前打。四球を挟んだ無死満塁から、4連続適時打で6失点。一度狂った流れを止めるすべはなかった。

 「あの回はしっかり決めるべきところに決められなかった。カウントを悪くしてランナーを出して、野手のリズムを悪くしてしまった。フラストレーションのたまる残念なイニングになってしまった」。この回限りで降板指令を突きつけられ、5敗目を喫した背信右腕。後悔と謝罪の弁に失意の色が漂った。

 走者を背負うと余裕が消える。必要以上に気を配りすぎ、打者との勝負に全力を傾注できない。スタンリッジの悪癖。過度の警戒心が自らの首を絞める悪循環が、またも顔をのぞかせ、勝利を遠ざけた。

 「調子はいいんだけど、一人出ると必要以上にマークして、バッターとの勝負に入っていけない傾向にあるよね」と和田監督は嘆いた。続けて「一、三塁なら、1、2点は仕方ないんだけど、1点を惜しがって、6点取られてしまった」と、マウンドでのスイッチの切り替えミスが招いた乱調だと分析した。

 野球には目視できない“生き物”が存在する。流れ、リズム、テンポ、空気…。初回、1死三塁、三回、1死一、二塁で奪えなかった先制点が、悲劇へとつながる序章になっていた。特に初回は、中堅・柳田が捕球し損ねて得たチャンスだっただけに、本塁を奪えば形勢が真逆になっていた可能性もある。一投一打の重み。改めて和田阪神に突きつけられた。

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