メッセ7回1失点!“勝ち”ある粘投
「交流戦、阪神2-1西武」(6日、甲子園)
阪神・メッセンジャーが繰り広げた牧田との息詰まる投手戦。粘りの投球が、2夜連続の劇的ドラマを演出した。
初回から執拗(しつよう)にファウルで粘られた。秋山に6球、片岡に7球、栗山に6球。立ち上がりの3人に、19球も要した。だが、その粘りにも屈しない。「ゲームの流れに身を任せようと思った」。自然体で臨んだ投球が奏功した。
二回に大崎、鬼崎に連打を許したが動じない。続く炭谷の初球。外角に110キロの大きなカーブを投じた。打ち損じを誘い、投ゴロ併殺を完成。冷静にピンチを脱した。
最近3試合は、7回を投げ切れなかった。球数が増えるだけ、不満が募った。この日も追い込んでからが、仕留め切れない。苦しんだ中でも「空振りも取れ始めた。久々にコントロールが良かった」と一筋の光を見いだした。
四回、真ん中に入ったフォークを浅村に拾われた。風に乗った打球は右翼ポール際に吸い込まれた。まさかの同点被弾だったが、勝ち越しのホームだけは踏ませなかった。
和田監督は、決め球を課題に挙げながらも「6、7月に調子を上げてくる投手」と期待を寄せた。七回を3人で抑え、バトンを託した右腕。劇勝の流れをつくった右腕に、勝ち星こそつかなかったが、復活の兆しは確かに見せた。ここからはメッセの季節。右のエースが本領を発揮する季節が、やってくる。