和田監督まるで敗者?ミス連発に苦言
「交流戦、阪神3-1ロッテ」(8日、甲子園)
眉間に寄ったシワ。苦虫をかみつぶした表情。「うーん」とひねり出した声はため息に似た。試合展開を振り返る阪神・和田監督が醸し出したのは敗者の色だった。拙攻、ボーンヘッド、サインミス、犠打失敗…。今季最多の貯金11を喜ぶ感情はあふれ出なかった。
勝利できたことは最大の収穫だが、ゴールに向かう道中で犯した過ちが自らの首を絞めた。ペナント終盤では許されないミスの連鎖。勝ったからと笑って済ませられない。虎将は勝ってカブトの緒を締めた。
六回、無死満塁。新井良が見逃し三振に倒れた。「満塁の先頭打者で点が取れないと苦しくなる。もっと工夫しないといけない」。積極さを売りにする元気印が見せた消極的な姿勢。心の弱さが見えた1打席に落胆の声を漏らした。
浅井にも反省を求めた。四回、新井の2ランで逆転した直後に、右前打で出塁。しかし新井良の中飛で二塁を大きくオーバーランして併殺。六回、無死一、二塁では、カウント2ボールから、相手内野陣が強烈なバントシフトを敷かなかったにもかかわらず、強攻してファウル。直後の犠打は敵失に助けられたが、投前に強く転がしすぎた。
「バントであったり。シフトが敷かれてないのに打っちゃったからね。そういうことを含めて、接戦ではゲームを落とすことになる」と厳しく指摘した。白星がミスの度合いを薄めたが、時に命取りになると指揮官は断じた。