和田監督、交流戦4戦全勝締め&V宣言
阪神は11日、鳴尾浜で全体練習を行った後、日本ハム2連戦に備えて札幌入りした。望みをつないでいる初の交流戦優勝へ、首位・ソフトバンクに2ゲーム差。和田豊監督(50)は、残り4戦全勝を目指したうえで「(優勝を)狙いたい」と宣言。切り込み隊長の西岡剛内野手(28)も同様に力を込め、つなぎの打線で難敵を撃破する。
どこかリラックスしつつも、一体感をにじませる選手たち。そんな鳴尾浜での練習風景を見ながら、和田監督は確かな手応えを感じていた。残り4試合となった交流戦。首位・ソフトバンクを2ゲーム差で追走しており「(優勝を)狙いたいと思う。選手もその気になってやってくれている」と意気込んだ。
現時点で自力優勝の可能性は消滅しているが、何が起こるか分からないのが野球。和田監督が「チャンスが来るとしても最後の試合(16日の楽天戦)。そこまでしっかり勝っていかないと」と宣言したように、残り試合を全勝すれば可能性は芽生えてくる。
フリー打撃などで汗を流した西岡も「全部勝つ?それしかない」とキッパリ言い切った。ロッテ時代に2度、交流戦の優勝を経験しているだけに「交流戦の優勝というモチベーションがある中で、残り4試合を戦えるのはすごく良いことだと思う」と力を込める。
6月の時点で“負けられない戦い”ができる環境は、必ずチーム力アップにつながる。特にここ数年の阪神は優勝争いに加われなかっただけに、巨人とマッチレースの様相を呈してきたセの覇権争いにも経験が生きてくる。重圧がかかる中で、いかに自分たちのプレーができるか‐。優勝するチームは、大一番のゲームでしっかり勝ちきれる“強さ”がある。
加えて12日は昨季、パ・リーグMVPに輝いた日本ハム・吉川が先発マウンドに上がってくる。16日の楽天戦は開幕8連勝中の田中が交流戦優勝をかけて虎を迎え撃つ。難敵ぞろいだが「良い投手から連打することは難しい。つないでいくことが大事だし、みんなもそういう意識を持ってくれている」と関川打撃コーチは言う。
個々が打席で自らの役割を果たし、次打者にバトンを託せば突破口は開ける。「例えば(西岡)剛とかがファウルで粘ってくれてね。大和もそれができるし、1、2番の粘りがボディーブローのように効いてくる」と同コーチが振り返ったように、ソフトバンク・摂津、楽天・牧田ら代表クラスの投手も“つなぎの野球”で撃破してきた。
初の交流戦優勝へ求められるのは4戦全勝。重圧、緊張感が漂う中で力を発揮できるか‐。虎の真の実力が問われる。