スタン北の大地で復活!1カ月ぶり勝利
「交流戦、日本ハム1‐6阪神」(12日、札幌ド)
乱れかけた初回を乗り越え、苦しみながらも勝ちきった。つかみ取ったのは、1カ月以上遠ざかっていた白星だ。敵地で注がれる歓声に笑顔で応えた。スタンリッジは7回1失点。北の大地で4勝目を刻んだ。
「今日のピッチングは満足できるものではなかったが、チームの勝利に貢献できてうれしい。今日は、変化球がうまく低めに集まってくれたからね」
力強い直球を軸に、カーブが要所で効いた。五回、1点を失ってなおも2死一、二塁で迎えたアブレイユをカーブで空振り三振に仕留め、七回2死一、二塁でも大引に追い込んでからのカーブで空を切らせた。リードを守り、最少失点でリリーフ陣に後を託した。
終わってみれば5安打での勝利。初回には先頭の陽岱鋼に与えた四球の際の微妙なジャッジに対し、いら立つような仕草も見せた。ただ、二回以降は冷静に打者に対応。バッテリーを組んだ藤井彰も「今日はカーブが良かった」と称えた。
この日までの中8日の登板間には、通常1度のブルペン投球を2度行って「腕をしっかり振ること」に意識を置いた。それが効を奏した形の、5月7日の巨人戦以来の白星。待ち望んでいた勝利と言っていい。その巨人戦の5日後の母の日には、ピンク色のオリジナルグラブを作製して迎えていた。
「グラブを作るのは今まで初めて。メジャーの時でもなかったから」とスタンリッジ。今年にかける思いを、初めてのグラブに込めた。電話でもアメリカの母・ドナさんに感謝を伝え、これからの活躍も約束。その後は練習でもその特注グラブを使用したが、そこから勝てていなかっただけに、ようやく胸を張って近況報告の電話ができる。
「(打線が)たくさん打ってくれて本当にうれしい。リードをもらった中で投げられるのは気持ちがいい」。約束の勝利は再浮上のスタートだ。手応えをつかみ、勢いを付けて来週から再開されるリーグ戦に挑む。