藤浪、打倒マー君へチェンジアップ解禁

 阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(19)=大阪桐蔭=が15日、Kスタ宮城で練習に参加。先発する16日の楽天戦(Kスタ)でプロ入り後、公式戦では1球も投げていないチェンジアップを解禁する可能性が出てきた。同球種は被打率・310と打ち込まれている左打者対策にも効果的。新たな武器で5勝目を狙う。

 秘密兵器が解禁されるかもしれない。プロ入り後、公式戦では1球も投げていないチェンジアップ。藤浪が進化した魔球で左打者を封じる。

 「まだまだ精度の高いボールではないので、使えればいいなあというぐらいの気持ちで練習してます」

 本人はこう謙遜するが、精度を増した変化球に周囲の評価は急上昇中。ブルペンで投球練習を見守る中西投手コーチの口も滑らかだ。

 「いろんな握りを試している。だいぶ良くなっている。オレの直伝だ」

 直球に加えて、カットボール、スライダー、カーブ、フォーク、ツーシーム、チェンジアップ。ブルペンでは必ず全球種を投げるが、ここ最近はチェンジアップを重点的に特訓中だ。

 「ツーシームよりもチェンジアップを練習しているよ。(試合でも)使えるんじゃないかな」。春季キャンプから球を受け続ける片山ブルペン捕手も太鼓判を押した。

 チェンジアップは被打率・310と苦手にする左打者対策に効果を発揮しそうだ。プロ入りワーストの12安打を浴び、六回途中3失点で降板した9日のロッテ戦(甲子園)の試合後には、「三振だけじゃなくて打ち取る方法を覚えたい」と課題を口にした。左打者の外角低めへ沈む変化球が加われば、配球にも新たな可能性が広がる。

 この日はブルペンで約40球投げて調整。マウンドの確認も行うなど準備にも余念はない。練習後には視察に訪れた坂井オーナーから「頑張ってね」と激励を受けた。勝利は5月26日の日本ハム戦(甲子園)から約3週間、遠ざかっており、久々に白星がほしいところ。

 「そろそろというか、毎回勝ちたいので。勝ちたいという気持ちを持たないでマウンドに上がるピッチャーはいないと思います。しっかり勝てるように頑張りたいです」

 相手先発はエースの田中。甲子園優勝投手同士の投げ合いが実現する。進化する19歳が交流戦の最終ゲームを待望の白星で飾る。

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