藤浪、最短五回途中KO…マー君に完敗

 「交流戦、楽天3‐0阪神」(16日、K宮城)

 阪神の藤浪晋太郎投手(19)がプロ最短の4回1/3で降板し、デビュー戦以来の黒星を喫した。楽天・田中との注目の対決に敗れ、自身の連勝も4でストップ。チームは3連敗で交流戦を終え、首位巨人と2・5ゲーム差となった。開幕から無傷の9連勝を飾ったマー君との対決で、虎の黄金ルーキーは何かを学び取ったはずだ。

 悔しさを押し殺し、ベンチで田中の完封劇を見届けた。世間の注目を集めた甲子園の優勝を経験した投手同士の投げ合い。藤浪はプロ入り最短となる五回途中5安打3失点でKOされ、2敗目を喫した。一方の田中は2度の満塁のピンチも無失点。超一流の投球術を見せつけられた。

 「ランナーを出してからが全然違うと思いました。行き当たりばったりじゃなくて、計算してアウトを取っている。ワンストライク目から狙って空振りを取っていますし、そういうところが球界を代表するピッチャーだと思いました」と藤浪。「対左打者対策」という課題も浮き彫りになった。打たれた5本の安打はすべて左打者。三回、2死から藤田に初安打を打たれると、松井には内角低めのカットボールを右翼線ギリギリに運ばれ先制を許した。五回にも島内、藤田に安打され、追加点を献上した。

 右打者の被打率・175に対して、左打者の被打率は・323。中西投手コーチは「いろいろやっているけど、ゲームの中で使えていない」。和田監督も「右と左の差がねえ。ここは配球とかでカバーしていかないといけないんだけど。そういうところが課題だね」と首をかしげた。

 これで3試合連続でイニング途中の降板となった。5月26日の日本ハム戦(甲子園)で4勝目を挙げて以来、白星から遠ざかり、なかなかトンネルの出口が見えない。

 「これから探していくところです。それが見つかっていないから、勝てていないわけで。これからいろいろ試しながら、やっていきたい。こんな情けないピッチングはしないようにしたい」

 苦悩の日々を過ごす中で、一筋の光も見えた。この一週間、ブルペンで試行錯誤を重ねた。中西コーチのアドバイスを取り入れ、プレートを踏む位置を三塁側から一塁側に変更。インステップ気味のフォームを修正するためだ。「マウンドからのロケーションが一変する」。四回、ジョーンズを見逃し三振に仕留めた外角低めの直球は藤浪が追い求めてきた一球だった。

 次回は6月23日のDeNA戦(横浜)に先発する。尊敬する田中と投げ合い感じた力の差。この1敗を決して無駄にはしない。次代の球界を背負うエースへ成長するための糧とする。

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