和田監督、交流戦貯金1も「立て直す」
「交流戦、楽天3‐0阪神」(16日、K宮城)
右回りにしか進まない時計の針が恨めしい。和田阪神が今季10度目の完封負け。ただ、難敵・田中を攻略できる絶好機があっただけに、口惜(くちお)しさが募る。連勝フィニッシュは絵空事に終わった。3連敗で発進した交流戦は、3連敗で幕を閉じた。
3連打で築いた二回、無死満塁の先制機。藤井彰の犠打が敵軍の連係ミスで安打となった場面。田中の足元はグラついていた。一気に襲いかかり、打ち崩す絶好のチャンスだった。だが、今季2度目のスタメンとなった荒木が空振り三振に倒れると、大和が一直、西岡が遊直で無得点。田中を完全に立ち直らせてしまった。
無死満塁。先頭打者が打てないと、得点を挙げにくい‐。球界の定説が現実となった。
「そう簡単に打てないピッチャーだけど、前に飛ばせば何とかなる感じだった。まだレベル的なこともある。ここで経験したことをどう生かしていくかじゃないか」。敗北は監督の責任。起用したのも指揮官の決断。和田監督は荒木を責めなかった。
楽天戦4戦全敗で今季3度目の3連敗となり、首位・巨人とのゲーム差は2・5に広がった。だが、昨年、3個の借金を抱えた交流戦を12勝11敗1分けで乗り切った。
「終わり方は少し良くなかったけど、貯金1で終われた。4日あくので、もう1回立て直す期間に充てたい。打つ方が、少し下降線に入ってるから」と和田監督は、4日間のブレーク期間を反攻の足場固めとする決意を示した。スイッチを切り替えるには十分すぎる時間がある。もう一度原点回帰し、敵にかみつくキバを研ぐ。