西岡4戦ぶりマルチ!G倒へ切り替えや
「阪神0‐2広島」(30日、甲子園)
試合終了と同時に阪神・西岡の気持ちは切り替わった。マエケンにつけられた土を悲観する必要はまったくない。1日の休みを挟んで始まる巨人との首位攻防戦。背番号7は「3連勝で止まったけど、月も変わって流れも変わる。次も大事なカードが控えてるので、しっかり調整して臨みたい」と前を向いた。
ここ数試合、西岡自身も苦しんでいた。リーグ戦再開後、完ぺきに捉えた打球がことごとく野手の正面を突いた。それを象徴したのが第1打席。カウント3‐1から直球をきれいにはじき返したが、打球は梵の正面を突いてしまった。
思わず天をあおいだ。ベンチに戻るとチームメートから指摘され、胴体、背中、頭、そして足まで“憑(つ)きもの”を払うようなしぐさを見せた。これが功を奏したのか、第2打席は直球を左翼線へクリーンヒット。第4打席では追い込まれながらも、低めの変化球を右手だけではらって中前に落としてみせた。
ただ4試合ぶりのマルチヒットにも「結果が出たのは良かったですけど、チームが勝たないと意味がない」と言い切る。五回2死二塁で迎えた第3打席は、チェンジアップを打たされて二ゴロに倒れた。1本出れば分からなくなる展開だっただけに「得点圏に走者を置いて打てなかった」と悔しさをにじませる。
前田健には3戦全敗、23回連続無得点。「広島を背負っている投手。全員がこの悔しさを持ってやっていかないといけない」と西岡は語気を強めた。そして続けざまに「次は巨人戦なんで、みんなでしっかり準備して、全力でぶつかっていきたい」と視線を首位攻防戦へと向ける。
左足の状態を考慮され八回に代走を送られたが、確実に状態は上がっている。内野ゴロでも患部をかばうことなく全力疾走する姿が多く見られるようになってきた。広島3連戦ではいずれも先制点が奪えなかっただけに、西岡の奮闘がカギになる。伝統の一戦へ、チーム全体が黒星を引きずってはいけない。