マエケンに三たび完敗も…虎に光見えた
「阪神0‐2広島」(30日、甲子園)
またしてもやられた。阪神打線が広島・前田健太投手(25)の前に完封負けを喫した。今季3度目の対戦で23回連続無得点、3連敗だ。優勝を目指す上で、苦手投手克服は不可欠。今週末には4度目の対戦が濃厚だが、攻略への光は見えた。カギを握るのは抑え込まれている右打者の奮起。九回のように右打者がつながれば、突破口は見えてくる。
屈辱の光景だ。当然のごとく、スコアボードに「0」が並んでいく。猛虎の前に立ちはだかる、広島のエース・前田健太の高い壁。チャンスはつくった。スタンドが盛り上がる粘りも見せた。ただ待っていたのは、これまでと同じ結果だった。
「相手のエースがそれなりの投球をしたら、そんなにチャンスはないと思う。やっぱり1回か2回のチャンスで得点をしていかないといけない」
和田監督はそう振り返った。今季、前田健に対して3戦全敗。計23イニングで無得点とあっては、悔しさもひとしおだ。
悔やんだのは、2点を追う三回の攻撃。無死一塁から秋山が送りバントを失敗。その後1死一、二塁となり、大和の左前打で二走・秋山が本塁を狙ったが憤死。3安打で無得点というイニングになった。
投手・秋山を突っ込ませたことには「タイミングはセーフだった。ウチのチームは、そういう姿勢でやっている。あれでいいと思う」と納得も、結果には「あそこで1点取れていれば…というか取らなければいけなかった」と唇をかむ場面だ。
課題はある。だが、攻略への光が見えたのも事実。前2戦の前田健との対戦では右打者が打率・136、左打者も打率・111と封じ込まれていた。だが、この日は「左は何とか対応していた」と指揮官が話すように、八回までの7安打中6本が左打者だった。
もう一歩及ばなかったのは、右打者の対応力。水谷打撃コーチが「マートンと新井兄弟やろな」と話すように、4番から並ぶ右打者3人で7三振を喫する内容。「4打席目でやっと合ってきた」(和田監督)と九回にマートン、新井が連打を見せるが、3日連続の逆転劇とはいかなかった。
「何とか食らいついて、追いかける姿勢は出ていた。あと1本、出るかどうかという勝負だった」と同監督。球界を代表する右腕相手に、その1本を得るのは容易ではない。それでも右打者が対応できれば‐その希望を見いだすところまでは来た。
翌週も敵地・広島に場所を変え、3連戦が行われる。前田健との4度目の対戦となることは濃厚だ。「そこで何とか、右打者が対策を練らんといかんね」。首位・巨人を捉えるにはエース級を攻略する力、その後に生まれる勢いが不可欠だ。広島の地で果たすマエケン撃破。猛虎の意地に期待したい。