スタン熱投自己最多11Kも1点に涙

 「阪神0-1巨人」(4日、甲子園)

 手応えは残った。同時に複雑な思いも残った。首位の巨人を相手に、7回を1失点。防御率2・31でリーグトップに立った。だが、チームが勝てなければ意味がないことは分かっている。完封された打線を責めることはない。阪神・スタンリッジは負けたことを悔やんだ。

 「いいボールはいっていたが、もっと良くないとね。初回の球数で後半に疲れが出たのもあった。全体的に7回1失点だったけど、チームが負けてうれしくない」

 結果的に勝負を分けたのは六回だった。先頭からの連打で無死一、三塁となると、ボウカーに右翼への犠飛を許して先制された。そこからは粘って追加点こそ与えなかったが、この日の111球目で奪われた1点が、最後まで重くのしかかる形となった。

 中西投手コーチが「初回やな。30球だな。神経質になりすぎていた。ボール自体は良かった」と話したように、終盤につながる「伏線」はあった。初回、2死二塁からの連続四球で満塁のピンチを招き、無失点で抑えたが、計30球を要した。スタンリッジ自身も認めたように、初回のダメージが後半に影響した部分があった。

 勝利に結びつかなかった力投だが、次につながることもある。四回に3者連続三振を奪うなど、自己最多タイとなる11奪三振を記録。10年の7月27日の横浜戦(甲子園)で、11三振を奪って以来の2桁奪三振となった。

 「(11奪三振は)自分としては珍しい。三振を取れるということは、低めに投げるボールがいい変化をしていて、キレがあるということ」。内容自体は悪くなかった。だからこそ六回の失点が余計に悔やまれた。

 「自分の仕事はマウンドでできたけど、試合に負けたので」とスタンリッジ。これで成績は4勝6敗に。自分が抱く自信が消えるような敗戦ではない。前向きにとらえられる「収穫」は次に生かす。この日味わった悔しさは、次回のマウンドで晴らすしかない。

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