今成「ビックリ」V弾!200打席目で1号
「広島1-3阪神」(5日、マツダ)
阪神が逆転勝ちで広島を下し、3連敗でストップした。1点ビハインドの二回、新井貴浩内野手(36)の9号ソロで追いつくと、「6番・右翼」で先発した今成亮太捕手(25)がプロ8年目、126試合200打席目で初アーチを右翼へ放った。試合を決める一発で自信を得た今成は、福留復帰後も右翼の定位置を獲る意気込みだ。
ゲームセットの瞬間、三塁ベンチで笑顔がはじけた。チームメートから祝福を受けた今成は、目をキラキラさせて喜んだ。プロ8年目の苦労人が、チームの連敗を「3」でストップさせるプロ初本塁打を放った。
劇弾が飛び出したのは二回だ。新井の同点弾の余韻が残る中、打席に立った。2ボールからの3球目。完璧に捉えた打球はライナーで右翼席に飛び込んだ。
「行くと思わなかったので入ってびっくりしました。自分でもどう打ったか分からないです。外野を越えてくれと思いながら走っていました」。試合後、興奮気味に振り返った。
昨季途中に日本ハムからトレード移籍。今や、チームに欠かせないムードメーカーだ。6月23日DeNA戦(横浜)の試合前には「湘南乃風」のライブに飛び入り参加。タオルを振ってキレのあるダンスを披露した。「みんなに行け!って言われたんです。自分から行ったんじゃないです(笑)。ダンスも得意じゃないですよ!」
こう照れながら舞台裏を明かしたが、今成の周りではいつも笑いが絶えない。6月21日、DeNA戦が雨で中止になった長野の練習後。大勢の報道陣を引き連れて歩くルーキー藤浪の隣に現れて、突撃取材を自ら敢行した。
「1番尊敬してる選手は?」
「今成さんです(笑)」
「1番対戦したいバッターは?」
「背番号49の今成さんです(笑)」
「よし!」
今成先輩の爆笑取材には晋ちゃんもタジタジ。今成の明るいキャラクターはチームに、なくてはならない存在だ。
もちろん、地道な努力も忘れない。2日の巨人戦(甲子園)で坂本の右翼線のフライにスライディングキャッチを試みたが、ボールはグラブからこぼれ落ちた。翌日、甲子園の外野では右翼線に放たれた打球の捕球練習を黙々と繰り返した。
ヒーローインタビューでは高らかに右翼のレギュラー取りを誓った。
「孝介さんが帰ってきても、ライトのポジションを守れるように頑張りたいと思います」
プロ8年目で訪れたビッグチャンス。「毎日、元気を出して全力でやりたいと思います!」。もう、右翼のレギュラーがいないとは言わせない。今成は本気だ。