初5番今成4安打!マエケンキラーや

 「広島0-4阪神」(7日、マツダ)

 振り抜けば快音が響く。4打数4安打と、止まらぬ勢い。そのうち3安打が広島・前田健からのものだからこそ、余計に箔(はく)が付く。対広島3連勝の立役者。阪神・今成が勝利を導き、右翼争いでも完全に前に飛び出した。

 「どの球種も一級品ですし、完成されたピッチャー。甘い球がきたら、初球からでもガンガンいこうと思ってました」

 期待に応えた。球界を代表する右腕から、二回は三塁線を破る二塁打を放ち、四回2死無走者では「(三塁が)後ろに下がってたので」と三塁への巧みなセーフティーバントで出塁。六回には右前打を放った。6月30日の対戦では最終打席で中前打を記録しており、前田健から4打席連続安打だ。

 ミコライオと対戦した九回は、左翼フェンス直撃の二塁打でチャンスを演出。貴重な追加点につなげた。プロ初の5番も「気にせずに」自分の打撃に集中。前日に続く2試合連続の猛打賞だけでなく、1試合4安打も自身初のことだ。

 広島3連戦で強烈な存在感を示した。初戦でプロ初アーチを記録し、前日は今季初の猛打賞。そしてこの日と「初物づくし」の大暴れ。本職は捕手だが、外野での起用でどん欲なアピールを続ける。充実の日々は夢のような毎日でもある。

 「同じユニホームを着て不思議な感じ」と熱い視線を注ぐのは、「24」の背中だ。父の日本ハム・今成泰章スカウトが阪神のスカウト時代にドラフトで桧山を獲得。その際、実家に連れて来られた桧山と初対面を果たした。小学生の時だった。

 「今も覚えてます。その時からファンでしたから」。少年時代から憧れていた選手に、今では練習に取り組む姿勢を見て学び、外野守備のアドバイスを受けることも。幸せな時間をムダにすることなく力に変え、成長を遂げてきた。

 福留の離脱後は右翼を固められなかった中、和田監督も「やっときたな、という選手が出てきた」と評した待望の存在だ。「誰がピッチャーでも自分のできることをやろうと思います」と今成。「不在」への回答を示した若武者が、さらにチームを加速させる。

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