藤浪42日ぶり星!マエケンに投げ勝つ
「広島0-4阪神」(7日、マツダ)
久々の晋ちゃんスマイルだ。阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(19)が、先発して6回無失点の好投。5月26日の日本ハム戦以来となる5勝目を挙げた。降雨の影響で試合が30分遅れて始まったが、影響は全くなし。力みのない投球フォームにマイナーチェンジし、広島打線を手玉に取った。今後に弾みがつく白星になりそうだ。
勝利の列で、“晋ちゃんスマイル”がはじけた。藤浪があこがれの前田健に投げ勝った。5月26日の日本ハム戦(甲子園)以来となる5勝目。勝てない間、悩み、苦しんだルーキーが自信を取り戻した。
「しばらく自分のピッチングができなくて悔しかったんですが、今日は勝ち星をつけていただいて良かったです」
巨人の杉内を参考に、力みのない投球フォームにマイナーチェンジ。これが功を奏した。最大のヤマ場は、1点のリードを奪った直後の六回。2死一、二塁で迎えた4番のエルドレッドを、カットボールで一邪飛に打ち取った。2週間ぶりの先発マウンドは、6回3安打無失点という上々の結果だった。
「余計な力を抜いてということを考えて投げていました。今日は理想に近いピッチングができたと思います」
この試合は気分転換のため、いつもの赤色ではなく、黒色のグラブを使った。それほどまでに勝てない日々は苦しかった。ようやくつかんだ白星。自然と笑みがこぼれた。
初めて先発で投げ合ったマエケンには「相手投手ですけど、対戦するのはバッターなので」と過剰な意識をしなかった。それでも「真っすぐが速くて、スライダーは一級品。一流のピッチャーはこういうボールを持っているんだと勉強になりました」と目を輝かせた。
もう2度と先発ローテーションから外れないと心に決めている。背中と腰の張りで5月に出場選手登録を抹消された。休養の意味合いもあったとはいえ、ショックを隠せなかった。
「チームに迷惑をかけてしまった」‐。
責任を背負い込むルーキーに声をかけたのが、藤浪の登板予定日だった5月12日に緊急先発した能見だった。
「しっかり休んで、次の登板に備えて」
能見は藤浪の力を認め、「見ての通り。すごいの一言ですよ」と絶賛している。練習中には一緒にランニングすることもある。
プロの壁にぶつかりながらも、エースへの階段を上る19歳。次回、前半戦のラストは7月14日のDeNA戦(甲子園)に先発する。「まだまだ自分の活躍で勝ったとは思っていない」。白星をきっかけに、さらなる高みを目指す。