西岡3ラン!5連勝最高サ~沖縄猛虎祭

 「阪神6-1中日」(10日、沖セル)

 この男の一発を待ってたサ~。阪神が今季3度目の5連勝。勝利を決定づけたのは西岡剛内野手(28)の一振りだ。2‐0の六回、3号3ランを右翼席へたたき込んだ。沖縄での2連戦で、前日は2安打1打点、この日は3安打4打点と完全復調の気配十分。巨人追撃へ加速し始めた。

 悠然とダイヤモンドを回る西岡を、沖縄のファンが独特の指笛で祝福した。大歓声に沸くスタンドの視線を独り占めにした背番号7。完ぺきなスイングで右翼席にたたき込んだ3号3ランを含む移籍後初の4打点。スピードスターの完全復活、5連勝に南の島のボルテージは最高潮に達した。

 場面は2点リードの六回だった。2死一、三塁で迎えた第4打席。西川が投じた初球、内角低めに落ちていく127キロのフォークをきれいにすくい上げた。

 決して甘い球ではなく、谷繁が要求した初球フォークは、過去3打席ではなかった配球‐。それでも「変化球で来るというのは頭にあった」と意外な1球を一振りで仕留めた。1点を奪えば試合が決まる状況で、結果を出した西岡のハイレベルな打撃技術。「広島(5~7日の広島遠征)くらいからだいぶ状態が上がってきた。いい形で振れるようになってきた」と納得の表情を浮かべる。

 その言葉が示すように、三回には左中間へクリーンヒット。八回1死一、二塁の場面では中日の息の根を止める遊撃内野安打を放った。6月23日・DeNA戦以来となる今季9度目の猛打賞に、4試合連続打点。和田監督も「元気になって剛らしい打球が出てきた」と目を細める。

 2日の巨人戦後に陥った体調不良を完全に払しょくした背番号7。2月以来となる沖縄の地に「キャンプの時を思い出した」と言う。アメリカで挫折し、「不安しかなかった」という沖縄行きの飛行機に乗ったあの日。そこから必死にプレッシャーと闘ってきた。

 人前で決して弱音を吐かず、5月上旬に左膝を痛めたときも自ら故障した事実すら明かさなかった。「試合に出てる以上は関係ない」。3日に予定されていた巨人戦から毎試合のように点滴を打った。休日となった9日の移動日も前日のデーゲーム後に帰阪し、関西で治療を受けた。

 心を緩めた瞬間に襲ってくる不安という“魔物”。だからこそ「壊れてもいい」と決死の覚悟であらがい、グラウンドで奮闘してきた。貯金は今季最多タイの13。猛虎の快進撃はもはや、西岡抜きでは絶対に語れない。

 ヒーローインタビューの最中に「真のヒーローは坂です」と2失策しながらも先制打を放った坂を、歓喜のグラウンドに呼んだ。そして「春にチャンピオンフラッグを掲げてキャンプがしたい」と澄んだ那覇の夜空に誓った西岡。その言葉を現実へと変えるため、背番号7は全力で宿敵の背中を追い続ける。

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