西岡が口火!電光石火の逆転劇を演出

 「阪神3‐2DeNA」(12日、甲子園)

 先制点を奪われたショックを阪神・西岡が消した。初顔合わせのコーコランに食らわせた強烈な先制パンチ。追い込まれた状況でも強くバットを振れる強さ、そして先の塁をどん欲に狙う姿勢‐。この2つが、初回の逆転劇を生んだと言っても過言ではない。

 2点を先制された直後の一回裏。「初回にああいう形で点を取られたので、まず1点、取り返してやろうと思って打席に入った」。カウント2‐2と追い込まれながらも、高めに浮いた直球をフルスイングでたたいた。

 空振りすることを一切恐れない強烈な一振りに弾かれた打球は、弾丸ライナーでセンターへ。モーガンも飛び込んだが、及ばずにファンブルすると一気に二塁を陥れた。

 「打球も見えていたし、アウトになるまでは全力で行く。100回に1回、1000回に1回のプレーですけど、ああいう形で出て良かった」。捕られそうになっても西岡はスピードを緩めなかった。勢いよく一塁をオーバーランしていたことで、モーガンの後処理も素早かったが、滑り込むことなく二塁へ到達した。

 一瞬でも気持ちを切っていれば、無死二塁にはならなかった。和田監督も「とにかく(先制点を)取られた後の剛。あそこで出てくれたのが大きかった」と絶賛。西岡本人は「投手が、メッセンジャーがよく粘ってくれた」と言うが、聖地の空気を変え、6連勝へ風向きを向けたのは間違いなく、この男だ。

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