猛虎 速攻逆転!!6連勝で首位Gと2.5差
「阪神3‐2DeNA」(12日、甲子園)
阪神が速攻の逆転勝ちを収めた。初回に2点の先行を許したが、その裏、鳥谷敬内野手(32)、マット・マートン外野手(31)の連続タイムリーで同点とし、続く新井貴浩内野手(36)の犠飛で勝ち越した。今季2度目の6連勝で、貯金は今季最多の14。中日に敗れた首位・巨人とは2・5ゲーム差だ。
まさに電光石火の逆転劇‐。いきなりのビハインドを目の当たりにした虎党が落胆する…その暇(いとま)すら与えない猛攻だった。
和田監督が「理想的だった」と称したのは、2点のビハインドを背負った一回裏の攻撃だ。先頭・西岡の二塁打がのろしとなり、続く大和は粘った末に死球を受けて出塁。ここから猛虎自慢のクリーンアップが、初対戦のDeNA先発・コーコランに襲いかかる。
「甘い球があったので、それを打てて良かった」という鳥谷の中前適時打で1点差。そして相手暴投で二、三塁とし、4番・マートンが右前へ同点打。さらに、一、三塁から新井の右犠飛で勝ち越しに成功した。
連勝中の勢いか、宿敵を追う執念か。1イニングにクリーンアップ3人が打点を挙げたのは今季初。相手が1死を取る間に、一気の3得点という速攻を食らわせた。
1つたりとも星を落とすつもりはない。その後は互いに次の1点が取れない、もどかしい展開。ただ勝敗を分けたのは目指す場所の差、残りすべてを勝利するという執念の差なのか‐。
球宴まで、本拠地での6連戦を残すのみ。「この6連戦は大事になる」。試合前、和田監督はその言葉に力を込めていた。
球宴に主力7人が出場し再合流は後半戦開幕の神宮から。球宴期間にチームで結束を図る時間は得られない。ならば、この6連戦の勝利で大きな流れをつくるだけだ。
「全部勝つつもりで行く。この時期、何勝何敗でいいとかは思わない。負けることを考えて、試合はできないから」
その思いをクリーンアップが体現した。「チームとして、ああいう一丸になっている時は得点をするチャンスなんだ」とマートンは言う。指揮官自身も、六回1死三塁で、捕手が投球を後ろにそらしたところで、本塁を狙った三走・俊介がアウトになると、ベンチを飛び出した。「足が入っているだろう!」と土山球審に猛抗議。背中でチームを鼓舞して見せた。
今季2度目の6連勝。貯金14で首位・巨人に2・5差とした。ミスはあった。拙攻も目立った。それでも「とにかくフル回転という形で選手もいてくれる。総力戦で、あと5試合いきたいと思う」と和田監督。流れはある。今はただ、目の前の1勝を奪いにいくだけだ。