メッセ粘投8勝目!緩急自在で8回2失点
「阪神3‐2DeNA」(12日、甲子園)
回を追うごとに、その右腕をうならせた。150キロ超の剛球にカーブ、フォークを織り交ぜた緩急自在の投球で相手打線を圧倒。阪神・メッセンジャーが8回を6安打2失点に抑え、チームを6連勝へと導く今季8勝目を挙げた。
「チームが素晴らしい仕事をしてくれたからね。3点を取ってくれたのが大きかった」。自身の好投を誇ることなく、真っ先に打線の援護に感謝を述べた。初回に不運な当たりが重なり、2点の先制を許したが、直後に味方が逆転。もらった1点のリードに、しっかりと奮投で応えてみせた。
二回からズラリとスコアボードにゼロを並べ、上がった八回のマウンド。2死からモーガンに右前打を浴び、一発出れば逆転の場面で、打席にブランコを迎える。「失投だけは避けようと思った」。初球は外角高め151キロでファウル。以後も2球で150キロ超をたたきだし、結果は四球に終わったものの、気迫のこもった直球勝負で虎党を魅了した。
続く中村を外角高め147キロで右飛に仕留めると、九回は救援陣にバトンを託した。「もちろん最後までいこうと思えばいけたよ。でもチームの勝利が最優先だよ」。9回1失点だった5日の広島戦(マツダ)に続く、2試合連続の完投勝利を逃し、少しだけ悔しさをにじませる。ただ助っ人には前半戦、まだ大きな仕事が残されている。
「もう一回、ベンチに入れるよ。最後の巨人戦」と中西投手コーチ。球宴前最後のカード、15日からの巨人戦でブルペン待機させることを明言した。これに対してメッセンジャーは「巨人を相手に投げたいと、シーズン初めからずっと思っていたんだ。ぜひ投げたい」と力強く呼応。
首位を走る巨人をたたき落とすべく、右腕をグルグルと回した。
この日は四回に右前打もマーク。2ボール2ストライクから4球ファウルで粘り、低め直球を鋭くはじき返した。投打に勝利への執念をほとばしらせる助っ投が、猛虎を首位へと導く。