西岡無念の強行スタメン「やり返す」

 「阪神3-6巨人」(15日、甲子園)

 どうしても勝ちたかった。ヒットを打とうが、ファインプレーをしようが、阪神・西岡の表情が崩れることはなかった。14日のDeNA戦で左膝に自打球を受けてから、驚異的な回復力でグラウンドに戻ってきた背番号7。勝つために、巨人を倒すために、最大限の努力をしてきたからこそ「勝たなきゃ意味がない」と語気を強める。

 前日の姿を見れば、とても出場できる状態ではなかった。左足にアイシングを巻き、自力でクラブハウスへの階段を上れなかった西岡。激痛に顔をゆがめ、誰もがリードオフマンの欠場を覚悟した。だが「やり返す」と宣言した男は、簡単にあきらめなかった。

 即座にアイシング、電気治療など、考え得るすべての治療が施された。一夜明け、打撲と診断された患部は幸いにも腫れが出なかった。「試合に出られる状態になったのは、トレーナーの方の応急処置が良かったおかげ。タイガースのトレーナーに感謝したい」と西岡。ゲームで100%のパフォーマンスを出すために、最大限の調整を行った。

 2点を追う二回1死満塁での第2打席では、追い込まれながらも低めのスライダーを懸命に中堅へ運び、犠飛で1点差に迫った。続く五回の第3打席では右翼線へ二塁打を放ち、反撃ののろしを上げ続けた。守りでも三回に長野の中前へ抜けそうな打球をバックハンドで処理し、ジャンピングスローで一塁へ送球。その姿は左膝の影響をまったく感じさせなかった。

 優勝するために乗り越えなければならない宿敵の壁。だが奮闘むなしく首位攻防第1ラウンドに敗れ「点を取ったり取られたりの展開になって競り負けたのは、野手の責任」。唇を震わせ、チームを勝利に導けなかった悔しさが西岡の表情から痛いほどにじみ出る。

 「とにかく明日、やり返さないといけない」。左膝の痛みを殺し、悲壮な決意を口にした背番号7。折れない心がある限り、必ず勝負の流れはやってくる。

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