虎将の執念!和田のゲキでGに一矢
「阪神9-6巨人」(17日、甲子園)
猛虎の意地。虎将の執念。3タテ許すまじ‐。阪神の前半戦ラストマッチ。宿敵・巨人に一矢報いた。楽勝ムードが一転、前夜の再現を思わせる冷や汗タラリの展開となったが、勝てば官軍。2・5差の追走。貯金13を携えて、堂々の2位ターンだ。
絶対に勝つんや。この一戦にかける並々ならぬ思いを和田監督はタクトに乗せた。1点リードの二回、無死一塁。初球エンドランの指示に藤井彰が右前打で応え、俊介が中前適時打で指揮官の熱意に実を結ばせた。
5点差の六回、無死一塁で俊介に命じた犠打。逆転負けを喫した前夜の七回に奪われた8失点の屈辱が脳裏にあった。マートンが右前適時打。メッセンジャーの乱調で影が薄れる形になったが、攻める和田監督の姿勢が強く残った。
試合開始前、和田監督は異例の全体ミーティングを開いた。「とにかく甲子園でジャイアンツに3連敗するわけにはいかない。開幕から打倒・巨人の気持ちでやってきた。今日は何とか取って終わろうや!」。ありったけの思いが唇を伝った。
フーッと大きく息を吐いた会見前。「しんどいゲームだった。昨日のことがあるからね。でも、4・5差じゃなく、2・5差に縮めた。精神的にも、いろんな意味でも大きな1勝だね」。残り63試合が描く軌跡。必ず最後は笑ってみせる。8年ぶりの栄冠を勝ち取る道筋が開けた勝利だった。