榎田今季4戦3勝!新Gキラー誕生や

 「阪神9-6巨人」(17日、甲子園)

 再び巨人の前に立ちはだかった。V奪回へ、落とすことのできない前半最終戦。薄氷の勝利をつかめたのは、阪神・榎田の好投があったからだ。

 「4月の東京ドームでも、そういう(連敗の)流れだったので。自分の流れかなと思っていました」

 G斬りの予感は試合前からあった。4月16、17日と巨人に連敗し、巡ってきた同18日の第3戦。7回2/3を1失点で巨人打線を食い止めた。そして、V争いの行方を占うこの試合もだ。

 重要と考えていた初回を3人で抑えると、リズムに乗った。

 四回2死満塁では、相手の勝負手を封じた。代打・矢野を122キロチェンジアップで二ゴロ斬り。六回に1点を失い、なおも一、二塁のピンチには、再び矢野を136キロ内角直球で見逃し三振。相手のポイントゲッターを抑えて、最少失点で勝利のバトンを託した。

 先発に転向した今季。左肘手術をしたにもかかわらず、この試合も含め12試合を投げ抜けたのも、あの人のおかげだ。

 昨オフのことだった。リハビリ中、投げたいと、はやる榎田を制して、復活への道しるべになってくれた権田トレーナーだ。「権田さんがいてくれたから、不安なく投げられた」と感謝の言葉を並べた。

 その“恩人”は「リハビリの意図をしっかり理解してくれたから。榎田投手の我慢するという努力に尽きます」と話した。信頼関係で結ばれた2人だからこそ、なし得た復活劇だった。

 今季4試合目の伝統の一戦。3つ目の勝ち星をつかみ取り笑顔がはじけた。無敗を誇る「新Gキラー」に和田監督も最敬礼だ。「4月も連敗しているところを止めてくれた。しっかり抑えてくれた」。

 榎田は「特別意識はしないですが」と苦笑いを浮かべた。だが、この左腕が、間違いなく何度も宿敵に立ちはだかるはずだ。G倒は背番号13に任せておけ、と。

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