4番マートン“振刻”後半戦13の1

 「阪神1‐4DeNA」(27日、甲子園)

 虎唯一の得点はエースの適時打。野手陣は援護できず、3連敗となった。特に深刻なのは阪神4番のマット・マートン外野手(31)。4番が後半戦に入って13打数1安打0打点では、勝てない。1番の西岡剛内野手も後半戦11打数2安打だ。首位巨人とは4・5差。2人のキーマンの復調なくして、逆転Vはありえない。

 マートンがおかしい。開幕8試合目で4番に座って以降、勝負強い打撃で打線を引っ張ってきた助っ人の勢いが消えた。後半戦に入って13打数1安打0打点。数字以上に気になったのが、2点を追う七回1死一塁で迎えた第4打席だ。

 加賀が投じた初球だった。外角に逃げるスライダーは明らかなボール球。これにマートンは手を出してしまい、バットは空を切った。続く2球目、外角低めギリギリのコースに来たスライダーを悠然と見逃したが、球審の判定はストライク。3球目は初球と同じようなボールになる外角スライダーに手を出し、3球三振に終わった。

 好調時、打つべき球をしっかりと捉えるマートンの姿はそこになかった。水谷チーフ打撃コーチは三振のシーンについて「あれはな。(悩みとか)いろいろあるやろ」と表情をしかめた。「あいつがここまで引っ張ってきたんやから。何とか上げていってもらわんと」とゲキを飛ばす。

 試合終了後、マートンがロッカーから出てきたのは20分後。ベンチ裏でスイング、もしくは現状の分析を行っていたもようだ。「今の状態、内容に関しては悪くない。ただ個人の結果が良くなくて、チームが勝てないことに満足はしていない」と心境を明かしたマートン。データ的に見ても、例年、球宴明けに調子を落としてきた。

 「214安打を打ったときも2分くらい落ちたし、翌年も3割を切った。でも最終的には球宴前の数字に戻っている」と自己分析しているからこそ、今年は早めに手を打ってきた。前半戦終盤から室内練習場で打ち込む量を増やし、調子の底を極力、少なくするように尽力してきた。

 ただどんな一流打者でも調子の波があるように、助っ人も例外ではない。個人が努力する一方で、和田監督が「球宴から状態が良くない。周りが何とか頑張らないと」と言うようにバックアップが必要だ。開幕から西岡、マートン、新井の3人で打線を引っ張ってきた。彼らの調子が落ちてきている今こそ、和田阪神の総合力が問われる。

 「良いときもあれば悪いときもある。自分のやるべきことは変わらない」と力を込めたマートン。巨人とのマッチレースを勝ち抜くため、4番の真価、そしてチーム力が試される時期に来ている。

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