マートン明暗 先制2ラン&満塁で三振
「巨人4‐3阪神」(3日、東京ド)
先制の一発も、3戦連続打点も勝たなければ意味がない。帰りのバスへと続く通路。阪神・マートンは厳しい表情を崩さなかった。「チームとしていい野球ができたと思うけど、これも野球」と敗戦の悔しさが全身からにじみでていた。
初回、2死二塁で迎えた第1打席で杉内の内角スライダーを豪快に左翼席へたたきこんだ。6月12日の日本ハム戦以来、132打席ぶりとなる8号2ラン。主砲に待望の一発が飛び出し、先制する最高の滑り出しも、あの1打席で流れが決まった。マートンが悔やんだのは同点の五回2死満塁で迎えた第3打席だ。
初球、ど真ん中に来た139キロの直球を見逃した。意表をつかれた1球だった。ピンチの場面で巨人バッテリーの配球は大半が変化球から入ってくる。虚をつかれた1球で後手を踏むと、最後は内角低めのスライダーで空振り三振に終わった。
勝ち越し、そして突き放すことができなかった1打席。「(初球は)考えすぎてしまった部分があった。追い込まれてからは何とか粘っていこうと思ったけど…」と唇をかんだ。ただ状態は好調時に戻っている。失敗を第3戦で成功に変えてこそ、虎の4番だ。