和田監督 執念の采配で巨人M点灯阻止

 「巨人0‐7阪神」(4日、東京ド)

 執念の采配が、巨人のマジック点灯を阻止した。阪神・和田豊監督(50)が、先発マスクに起用した清水が藤浪を好リードすれば、七回に代走に送り出した俊介が好走塁でチーム2点目をもぎ取った。チームは崖っぷちで底力を見せ、巨人3連戦に勝ち越し。今季50勝に到達した。

 敵地に刻んだ猛虎の意地。星を落とした瞬間、52試合を残して自力優勝の可能性が消えた背水マッチ。タテジマ魂を結集した完封劇で、宿敵のマジック点灯を阻止した。負けてなるものか‐。反骨精神で大事な、重い、大きな白星を奪った。

 退路を断った一戦。和田監督の勇気ある決断がスタメンに施された。藤浪の女房役に初めて清水を指名。正妻・藤井彰の蓄積疲労なども配慮した和田タクト。藤浪を6回無失点に導き、勝利の礎を築いた。

 「狙い?言えないなぁ。まぁ気分転換の意味も込めてね。前回打たれたこともあるし」。虎将は真相をはぐらかしたが、試合結果が雄弁に効能を語る。次善の策で起用された清水が期待通り、いや期待以上のアンサーを持ち帰った事実が実に尊い。

 勝負手も結実した。七回、1死二、三塁。藤浪に代打・桧山。三走を新井良から俊介に代えた。「すんなり3人で終われば、もう1イニングと思っていたけど、チャンスになって勝負とみた」。桧山は前進守備の二塁へのゴロだったが、俊介が抜群のスタートを切り、最短距離で本塁を突いて、阿部のタッチをかいくぐった(記録は野選)。1点を守らず、貫いた攻めの姿勢が一挙5点のビッグイニングを生み出した。

 首の皮をつないだ。ただ、満足感も高揚感もない。胸に去来するのは後悔の思いだけ。「タイガースの意地を見せることはできたけど、勝つと昨日の負けの悔しさが、ふつふつとわき上がってくる」。定めた照準は3連勝。唯一無二の目標を逃した無念さが、あらためて指揮官の心に押し寄せた。

 首位攻防。真夏の祭典。戦前、決してそんな代名詞を用いる3連戦ではなかったが、1差詰めて宿敵の背中に近づいた。勝ち越したことで、虎の底力を敵の脳裏に焼き付けることもできた。

 「また下旬に東京ドームで3連戦があるんでね。またその時も」。夢と希望はつないだが、局面が画期的に開けたわけではない。6・5差。一足飛びに追いつくことはできない。白星を積み重ねて反撃のチャンスをうかがう。猛虎の夏。底力で奪った勝利を起点に、反転攻勢をかける。

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